技術情報

  • 2020年11月2日 広報番組「#ウィークリーいしかわ」 放送

    石川県広報広聴室公式「ほっと石川より
  • いしかわエコリビング賞
    (2013年 優秀賞 金石住宅  石川県ホームページ掲載)
  • 金石住宅 竣工写真
  • 金石住宅 施工写真
    • (1)自然エネルギーの活用
      長年住んでいた場所での建て替えで、新築しました。
      土地は、少し高台の南西の角地で、日当たりは良好です。
      季節ごとの風の方向や、太陽高度等の自然エネルギーの活用にて、計画を進めました。
      海岸の近隣にて、海風 山瀬の風等が、家に取り込める間取り及び矩計計画としました。
      南西部には、4尺芯々の外部空間を設け、また、リビングは、2階に計画し、夏は、外部空間からの、日陰の風、冬は、太陽高度により、部屋奥にまで、太陽光(暖気)を取り入れ、自然エネルギーを活用しています。
      建築的手法(窓の設置個所、上下の窓による、煙突効果や温度差換気等)での、自然エネルギーの活用を推進しました
      開口部は、角部屋(2面外壁)にも関わらず、縦辷出し窓を駆使し、小窓を並べて 4方向からの風を取り込めるよう工夫した。
      シーリングファンを使用し、夏の熱気及び自然風の誘発、冬の暖気の拡散に 配慮しています。
         
      (2)省エネルギー性
      小屋裏を設けず、屋根断熱とし、熱だまり(勾配天井)をなくし、空調の負荷を軽減しました。
      外壁部分の通気はもちろん行い、屋根部分の通気は、垂木分60㎜確保し、棟換気を取り付けました。
      屋根及び壁の 防水紙は、射熱タイプを採用した。
      給湯は、エコキュートとした。
      水周り(設備使用室)は、上下階とも 西面の一角にまとめ、給湯配管経路を短くし、熱の損失に配慮しました。
      給水・給湯の水栓及び便器は、節水タイプを採用してます。
      複数の照明器具による多灯照明により、省エネ効果はもちろん、部屋の演出にも配慮しました。

      ①熱性能・気密性能
      屋根又は天井の断熱仕様 (材料名:フェノールファーム、厚さ: 50mm)
      外壁の断熱仕様 (材料名:フェノールファーム、厚さ: 50mm)
      床の断熱仕様 (垂木間)  (材料名:フェノールファーム、厚さ: 60mm)
      床の断熱仕様 (大引間) (材料名:ビーズ法ポリスチレンフォーム、厚さ: 60mm)
      *開口部サッシの仕様  (材質:金属製)
      *開口部ガラスの仕様  (ダブル(複層))
      *その他( Low-E(射熱タイプ)、居間の3枚戸の2ヶ所のみ(Low-E(断熱タイプ)) )
      ※ 建物全体のQ値:  2.4 W/㎡K

      ②設備機器
      リビングルームの暖冷房
      暖房システム:(メーカー名:三菱電機㈱  型番:MSZ-ZXV369S-W(電気 エアコン))
      冷房システム:(メーカー名:三菱電機㈱  型番:MSZ-ZXV369S-W(電気 エアコン))
      換気システム:(自然換気、第3種機械換気(24時間換気))
      給湯方式:(メーカー名:コロナ㈱  型番:CHP-46NW1(電気 ヒートポンプ))

      (3)3R(リデュース、リユース、リサイクル)への配慮
      建築時に発生する廃棄物の抑制においての取り組みは、まずは間取りの単純化です。
      複雑な間取りや、出入りの多い建物形状を避け、単純で明快な間取りとし、材料に無駄ができず、廃棄物への配慮とした。
      また、建築のモジュール(909)を基本モジュールとし、通常流通品を、採用してます。
      内装材は、自然素材(木材)を中心に制作し、クロスはほとんど使用せず、材料そのもの特徴をを生かした調湿効果等により、機械設備に頼らない、程よい室内環境、また、自然素材により 建物の長寿命化へ配慮した。
      前記したように、木材使用により、今後のリサイクル製品(材の転用)となりうる、配慮を行った。

      (4)県産材の活用
      屋根・外壁・基礎・内装材の一部(ボード等)以外は、木材を使用しており、下地及び仕上げ材の割合はおおむね全体の80%程度(内部に関しては、それ以上)です。
      洗面・浴室以外は、全て真壁としており、土台・大引き(桧材)、柱(桧材)、2階床丸太梁(桧材)、2階床平梁(米松材)、2階小屋丸太梁(地松材・米松材)、床仕上げ(桧材)、壁・天井仕上(杉材・さわら材)、他、外部化粧垂木、軒裏化粧等

      (5)居住者が行っている省エネの工夫
      (夏)
      ・涼しい時間帯の外気を取り入れる。
      ・室内の温度のほうが低い場合は、室内が外気と同等温度になるまで、窓を開けない。また開口部は、Low-E(射熱タイプ)を採用しているので、通風との兼ね合いで、直射日光の当たるの窓は、開けず、日陰の窓を 開けるようにしている。
      ・家の中の廊下等の風は、結構ひんやりしています。 但し 窓を開ければ、風があるときは、それを感じますが、当然 外気温度と、同じになります)
      ・1階部分の掃き出し窓には、よしずを設置してます。
      ・夕方は、打水を行う。
      ・夜間 就寝時は、アイス枕を 使用する。
      (冬)
      ・朝、お湯を沸かし、湯たんぽ(3個程度)リビングの炬燵(座布団でサンドウィッチ状態)に入れておく。 子供たちが帰宅後、それぞれ湯たんぽを、自分の部屋に持っていき、ひざ掛けと一緒に利用し、勉強している。ちなみに 昨年一昨年と炬燵には一度も 電気を通しませんでした。
      ・ふろの入る時間は、家族のまとまった時間帯に、入るようにしています。
      (年間通じ)
      ・照明やテレビ等のつけっぱなしは、なくしている。
      ・可能な箇所は、タイマーコンセントを利用し、間欠運転しています。

      (6)居住者の生活実感
      ・冬の暖房時の床と天井(勾配天井 平均天井高さ 4500)の温度差、1℃前後で、室内での移動風などは、まったく感じず(対流がない為)、大変快適です。
      ・この建物は、建築的手法の省エネ住宅で、設備的手法に頼らず、今の電気料金(光熱費)に満足してます。